一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2021年1月23日(土) に第21回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催しました。
これは、昨今のコロナウィルス感染拡大防止対策のみならず、従来からいただいていた、実際の集会、セミナーに参加するのが困難であるのでオンライン講座などをもっと積極的にやってほしいという要望に応えるものです。
概要:第21回 JNOSウェビナー[Web Seminar] 講義
第21回JNOSウェビナーは、「治療技術」分野で、「Dr.木村&小林 肘外側部痛症候群へのエコーガイド下fasciaハイドロリリース~応用編①~」をテーマに開催しました。
座長は、当会学術局長 小林只先生(弘前大学医学部附属病院総合診療部学内講師)で、講師は、当会会長 木村裕明先生(木村ペインクリニック院長)、当会理事 黒沢理人先生(トリガーポイント治療院院長)、鈴木茂樹先生(木村ペインクリニック 理学療法士)、浅賀亮哉(木村ペインクリニック 理学療法士)、堀米秀法先生(木村ペインクリニック 鍼灸師)でした。
肘については、第14回および第17回JNOSウェビナーで基本的内容を扱いました(以下参照)が、本シリーズでは「中級者・上級者」対象とした診療ノウハウを扱っています。
- 第14回JNOSウェビナー(2020年9月19日 21:00~)報告ページ(講義動画会員公開)
テーマ「エコーセミナー④ 肘・前腕部:上腕骨外側上顆炎に対する整形内科学的評価(問診・解剖・触診・エコー)と治療」- 第17回JNOSウェビナー(2020年10月31日 21:00~)報告ページ(講義動画会員公開)
テーマ「エコーセミナー⑤:Dr.永野のエコー描出技術 上肢編 その2~一般化を目指した学習方法~」
具体的には、以下の内容を扱いました。木村ペインクリニックスタッフらによるオリジナルイラスト、肉眼解剖のデータ、診察動画などを多分に利用した素晴しい情報量と質の講演でした。
【応用編①(今回)】
- 肘外側部痛の概要:木村裕明
→「肘外側部痛→骨付着部へステロイド注射」というワンパターンの臨床を超えるために、以下に分類して提示
① 関節内
② 関節外
A. 伸筋群の骨付着部の治療:炎症性病態、非炎症性病態
B. 伸筋群の環境改善(筋収縮の効率化)
C. 関連痛の治療(胸郭出口症候群TOS、頚肩部を中心に)肘外側部痛の評価:鈴木茂樹、浅賀亮哉(今回は、a, b, c, d について主に解説)
→小林只先生(JNOS学術局長)の緻密な動作分析・評価について、木村ペインクリニックのスタッフらが咀嚼し、基本メソッドとして昇華させたエッセンスを実演・解説。
- 可動域評価
- 圧痛評価
- 整形外科的テスト
- Nerve tention テスト
- Dermatome
- Angiosome
- Venosome
- 胸郭出口症候群(TOS)に対するテスト
- 肘外側部痛の治療(エコーガイド下fasciaハイドロリリースを中心に):木村裕明
→木村裕明先生の膨大な経験から導き出される、頻用治療部位に関して紹介
講演後は、会員内外からの活発な質疑応答が、指定発言の当会副会長・洞口敬先生と供に盛り上がりました。
動画公開:第21回 JNOSウェビナー[Web Seminar] 講義・質疑応答
第21回JNOSウェビナーの動画およびディスカッションは、会員限定フォーラムで閲覧可能です
- 前半の講義動画(70分)
- 質疑応答・ディスカッション(20分程)
- 質問1:橈骨神経のNerve tention testにて手関節の掌屈時に痛みが出た場合、総指伸筋など筋群の伸張痛の可能性も考えられますが鑑別方法を教えて頂けますか?
- 質問2:短橈側手根伸筋の付着部へのステロイド注射をしていますが、治療効果期間がだんだんと短くなる症例を経験しています。何が原因と考えられますか?
- 質問3:体外衝撃波やPRP治療についても適応等ご教示いただきたいです。
- 専用フォーラム内でディスカッションもあり。
入会案内
当会の入会はこちらから。