一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2021年2月6日(土) に第22回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたした。今後も、隔週で継続予定ですので、ウェビナー スケジュールをご参照ください。
これは、昨今のコロナウィルス感染拡大防止対策のみならず、従来からいただいていた、実際の集会、セミナーに参加するのが困難であるのでオンライン講座などをもっと積極的にやってほしいという要望に応えるものです。
概要:第22回 JNOSウェビナー[Web Seminar] 講義
今回は、「問診技術、生活指導」分野をテーマの2回目として、再び以下の豪華講師陣で開催しました。
当日は、座長である小林只先生(当会理事・学術局長)の司会の元、約90分の講義と質疑応答で開催され盛況でした。
本手法は汎用性のある技術であり、外来診療・多職種会議・患者家族面談などの臨床、インタビューやアンケート手法などの研究、企業内研修さらには親子・夫婦間の対話においても活用されています。医療分野においては、今回座長を務める、当会学術局長の小林只先生も「問診技術や生活指導技術の基礎を学ぶための方法」としても推奨しています。2019年6月に開催されたJNOSの九州・沖縄ブロック地方会での6時間講演(JNOS会員は会員専用ページ内で視聴可能)、2019年1月に開催された第67回日大スポーツ医学勉強会の講演、他総合診療や地域医療関係の各種学会でもセミナーが実施されてきました。
- 本手法の医療分野における第一人者である、総合診療医・平野貴大先生(日本整形内科学研究会 正会員、国民健康保険大間病院 院長、認定NPO法人ムラのミライ認定 メタファシリテーショントレーナー)
- 整形外科医として、初の本分野を学び実践し始めた永野龍生先生(日本整形内科学研究会 理事・永野整形外科クリニック 院長(奈良県香芝市))
- 本手法を活用し多職種連携推進、その基礎となる症候学への深い造詣とを実践している、総合診療医・並木宏文 先生(日本整形内科学研究会 理事・地域医療振興協会 十勝いけだ地域医療センター)
今回の講演プログラムは以下でした。特に、問診・医療面接におけるコミュニケーションに焦点をあてた症例検討を体験したことがある方は非常に稀であったこともあり、聴衆からは「ここまで問診でディスカッションすることがあるのか?」と驚きの連続だったようです。
- 講義①(平野貴大):メタファシリテ-ションと患者の行動変容。北風と太陽の逸話を例に非常に分かりやすい解説でした
- 症例カンファ(並木宏文、平野貴大、永野龍生、小林只):永野先生が整形外科外来で本手法を実践した症例を元に、講師等と座長でディスカッションしました。
- 講義②(平野貴大):トップダウン型、ボトムアップ型で整理した行動変容について概説しました。ロバート・チャルディーニ博士の「影響力の武器」、その他、ビジネス分野まで応用の利く多様な技術について、診療場面におけるメリット・デメリット、なによりも「使い分け」について分かりやすく説明されました。
- 質疑応答
動画の一般公開:第22回 JNOSウェビナー[Web Seminar] 講義
第19回JNOSウェビナーの動画およびディスカッション(約90分)は、Youtubeで一般公開中です.
【質疑・ディスカッションの目次】
- 事実質問を展開するにあたり、「尋問」にならないようにする工夫を教えて頂けますか?
- 患者との関係性を作るため(ラポール形成)にあたり、工夫している手法はありますか?
- 腰痛でも頚部痛でも、いわゆる「レッドフラッグ」の聴取にあたり、より効率的に「事実」を聴取していくための工夫を教えて頂けますか?
- 「寝ているときに痛みで目が覚める」は「痛みによる中途覚醒」ではないことも多いとのことですが、具体的なパターンを教えて頂けますか?また、それを鑑別する方法についてコツを教えて頂けますか?
- 「医師の立場」を使って質問しているとのことでしたが、多職種連携の観点ではいかがでしょうか?医師の立場ではかえって尋ねにくい質問、言い換えれば、例えば看護師、理学療法士、鍼灸師、事務職員など、他職種の立場ならば尋ねやすい質問はありますか?
- 膝が痛い高齢女性は多いですが、医師の関わりとしては「やせないとダメですね」「ヒアルロン酸の注射に通いましょうか」という指示が多いかと思います。高齢ですので「運動しましょう」「甘い物を控えましょう」と言うよりも「痛みさえとってくれさえすれば大丈夫」という方も多いです。動機づけからの行動変容は、具体的にどのようにしていけばよいのでしょうか?これをやっていかないと、医療費の無駄遣いでしかないとも感じています。
- 専用フォーラム内でディスカッションもあり。
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