[問診技術分野] 第1回 メタファシリテ-ション・事実質問~問診と医療面接への活用~(対象:全医療職)
一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2020年12月26日(土) に第19回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたします。
今回は、ウェビナーでは初のテーマである「問診技術、生活指導」分野をテーマに、以下の豪華講師陣で開催します。
- 本手法の医療分野における第一人者である、総合診療医・平野貴大先生(日本整形内科学研究会 正会員、国民健康保険大間病院 院長、認定NPO法人ムラのミライ認定 メタファシリテーショントレーナー)
- 整形外科医として、初の本分野を学び実践し始めた永野龍生先生(日本整形内科学研究会 理事・永野整形外科クリニック 院長(奈良県香芝市))による、豪華講師によるウェビナーとなります。
- 本手法を活用し多職種連携推進、その基礎となる症候学への深い造詣とを実践している、総合診療医・並木宏文 先生(日本整形内科学研究会 理事・地域医療振興協会 十勝いけだ地域医療センター)
本手法は汎用性のある技術であり、外来診療・多職種会議・患者家族面談などの臨床、インタビューやアンケート手法などの研究、企業内研修さらには親子・夫婦間の対話においても活用されています。
医療分野においては、今回座長を務める、当会学術局長の小林只先生も「問診技術や生活指導技術の基礎を学ぶための方法」としても推奨しています。2019年6月に開催されたJNOSの九州・沖縄ブロック地方会での6時間講演(JNOS会員はアーカイブから視聴できます)、2019年1月に開催された第67回日大スポーツ医学勉強会の講演、他総合診療や地域医療関係の各種学会でもセミナーが実施されています。
今回は、より具体的かつ平易に参加者のみなさま方にお伝えできる貴重な機会となります。
今回の講演プログラムは以下を予定しています。
- 導入:よくある治療者と患者のすれ違い
- レクチャー①:
- 疾病(disease=事実)と病い(illness=感情・考え)
- PCM(Patient-centered clinical method)とBPSモデル(Bio-Psycho-Social model)
- 事実質問とは何か?
- 対談①:永野先生が整形外科外来で本手法を導入した経緯
- レクチャー②:診断において時系列を評価する意義(Disease)「主訴の分析」
- 最後に:まとめ、第2回の予定(「治療後の評価」)
以下が抄録になります。
【抄録(本シリーズ全体)】
以下の疑問のうち1つでも感じたことがある方は、是非ご参加下さい。
- 半年前から「ずーっと」痛いは、本当に「慢性疼痛」ですか?
- 問診も生活指導も、時間が足りないから「できない」?
- 患者に聞くよりも、診察や触診した方が速く正確?
- こちらが聞いていることに患者が適切に回答してくれず、「感情的な長い言い訳」を聞くのは仕方がない?
- 「心当たりはありますか?」「なぜ、悪化したのでしょうか?」という質問への患者の回答が、事実と異なっており、信用できない?
- 「体操して下さい」と指導しても患者がやってくれないのは、患者のせい?
- 「いつ治りますか?」と患者に聞かれるとイライラする?
- リハビリ室の1単位20分間、鍼灸治療の置鍼の時間の沈黙が怖いから、雑談力を鍛える?
訓練されたコミュニケーション技術は、正確かつ円滑な発痛源評価と、短時間かつ医療者の心身の負担が小さい生活指導や認知行動療法の基礎となります。そもそも質問には”考え”・“感情”・“事実”を聞く三種類の質問があります。具体的には、「なぜ(why)」「どうして(How)」を使用せず、「いつ(When)」「だれ(Who)」「なに(What)」「どこ(Where)」という“事実”の回答を引き出す質問を意識的に使用する方法です。例えば、上記5の質問は、患者の”考え“を聞く方法です。
例えば、以下の病気(Disease)の分析はシンプルな質問で分離可能です。第1回目で主に、時系列で分析する事実質問のコツをご紹介致します。
- 足関節の内反捻挫時の「靱帯損傷」、「裂離骨折」、「果部骨折(例:外顆骨折)の病歴の違いは?
- 「石灰化性腱板炎」、「腱板断裂」の病歴の違いは?
- 「関節内炎症(例:滑膜炎)」、「関節外炎炎症(例:腱鞘炎)」、「筋肉痛」の病歴の違いは?
- 「しびれ」の原因が、「本物の神経障害」か「fasciaなどによる神経障害様のもの」の病歴の違いは?
第2回目以降では、「治療後の評価」をテーマに、患者が言う「治った」「治らない」「前の注射効かなかった」という回答の事実質問による分析を紹介します。
その中では、(医学的な正しさと関係なく)患者自身が問題と考えている(しばしば、思い込んでいる)答え、あるいは医師が満足しそうな答えを無意識に返答します。もちろん、患者の感情や考えを聞くことは、illnessの把握という観点では患者・医療者の関係性構築には役立ちます。つまり、治療結果を患者と共有できることは、患者から”事実“を意識的に聴取することが重要です。
これらにより、患者の行動変容に繋がる「患者に事実を問い続けることで、患者の“気づき”を促すこと(メタファシリテーション)」の技術に発展し、患者のセルフケアの礎をつくることができるようになるでしょう。
【学習用資料】
注)「メタファシリテ-ションTM」は認定NPO法人ムラのミライの標章です。
詳細は下記をご参照ください。多くの方のご参加をお待ちしております。
第19回 JNOSウェビナー[Web Seminar]
日時 | 2020年12月26日(土) 20:40-22:30
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必要機材 |
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定員 |
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費用 |
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参加申込開始・締切 |
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主催 | 一般社団法人日本整形内科学研究会(Japan Non-surgical Orthopedics Society; JNOS) |
参加資格 |
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申し込み方法 |
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その他 |
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問い合わせ先 | 一般社団法人日本整形内科学研究会 お問い合わせフォーム |