一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2021年5月29日(土) に第29回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催しました。
これは、昨今のコロナウィルス感染拡大防止対策のみならず、従来からいただいていた、実際の集会、セミナーに参加するのが困難であるのでオンライン講座などをもっと積極的にやってほしいという要望に応えるものです。
概要:第29回 JNOSウェビナー 講義「コンプラセミナー⑤ 利用規約の読み方・実践編」
一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2021年5月29日(土) に第29回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたしました(申込みページ・抄録)。
今回は「コンプライアンス(法令順守)」分野をテーマに、講師が当会理事・学術局長 小林 只先生(弘前大学医学部附属病院 総合診療部 学内講師,2級知的財産管理技能士)、座長が当会理事 今北 英高先生畿央大学大学院 健康科学研究科教授)のコンプライアンス・ゴールデンコンビでお届けしました。
アンケート機能や実演など、参加者の認識を確認しながらの双方向性のウェビナーで、かつ、個人の生活や開業医など個人事業主としてのコンプライアンスに深く関係する内容でした。
〇当日の内容【概要】:1.これまでのコンプラウェビナーのまとめ
→当会の第1回JNOSコンプラウェビナーの再生回数が1000回を超えたこと(法律関係の動画は非常に多い)含め、安心して活動するためのマナーを学ぶ機会を今後とも提供していることを紹介しました。
- 第1回 コンプラウェビナー~総論、知的財産権としての著作権、著作物の利用方法~ [2020年6月20日] 報告ページ(Youtube動画のリンク形成)
- 第2回 コンプラウェビナー~著作物の利用検討前のステップ:肖像権・安全保障貿易管理、個人情報保護、産業財産権~[2020年7月18日] 報告ページ(Youtube動画のリンク掲載)
- 第3回 コンプラウェビナー【実践編】~著作物のライセンス検索技術、著作物性に応じたリライト技術を中心に~[2020年8月22日] 報告ページ(Youtube動画のリンク掲載)
- 第4回 コンプラウェビナー~解剖イラストの作図技法1 JNOSのオリジナルイラスト頒布について[2021年4月10日] 報告ページ(講義動画は会員限定公開)
2.講義
- 利用規約とは何か?
→契約は自由契約の原則であり、一般的に2者間の契約と比較して「利用規約は協議可能性が低いこと」「第3者へも公開していること」の2点が、デジタル時代において「ユーザーが不利に追い込まれる」現状を解説しました。- 〇〇フリーが表す社会背景、DX推進時代における利用規約の位置づけ(ビジネスモデルの変遷と共に)
→モノ売りではない、デジタル時代のビジネスモデルについて事例(例:COSTCO、NETFLEX)を元に解説し、「契約や利用規約は、事業モデルに応じて大きくことなること」をお伝えしました。- 利用規約の読み方(作り方から知る、読み方のコツ):
→最低限のチェック項目として以下3つを中心に、5分でチェックする具体的手法を実演しました。
- 自社サービス内のコンテンツについての権利の帰属→「投稿したデータ(画像等)の著作権は全て運営企業へ譲渡」となっていないか?
- 損害賠償に関する事項→「運営企業側の責務であっても、利用者が損害を補償する」となっていないか?
- 準拠法、紛争時の裁判管轄→「外国の裁判所が合意管轄」になっていないか?
3.実演:参加者からの要望に応じて、以下を供覧しながら学びました。
- Pexels (イラストや写真のサイト)→禁止事項のチェック「データ自体の営利利用など」
- Apple watch → 裁判管轄はどこ? 損害金額の上限は? 収集された個人情報の二次利用は?
動画公開(会員限定公開の準備中):第29回 JNOSウェビナー[Web Seminar] 講義・質疑応答
第29回JNOSウェビナーの動画およびディスカッションは、会員限定フォーラムで閲覧可能です
- 前半の講義動画(60分)
- 実演・ディスカッション(30分)
- 開業医や治療院の院長は、個人名で契約したとしても、その実施状況からは「事業者としての契約」となる。そのため「一般顧客としのて契約」が保護される消費者契約法他によって守られることは原則ないこと。
- 利用者(ユーザー)ではなく、提供者(企業や治療院の経営者など)側が、利用規約を作成するポイント
- 提供者は社内に知的財産管理技能士など法務を担う人材を育て、外部の法律家(弁護士など)と連携する仕組みが、デジタル化の時代において中小企業が生き残る重要な技術(リーガル戦略)であること。
- 補足(会員フォーラム内):「○○フリー」と誤認していたという理由は通じないのでしょうか?
回答)裁判所は「フリーサイトから取得したので著作権フリーだと信じていた」という主張を認めませんでした。参照:東京地裁平成27年4月15日判決平成26(ワ)24391号損害賠償請求事件
- 専用フォーラム内でディスカッションもあり。
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