概要:第34回 JNOSウェビナー 講義「鍼灸師ベーシックセミナーVol.2 肩部の評価と治療 Basic」
一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2021年8月7日(土) に第34回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたしました(申込みページ・抄録)。
昨今のコロナウィルス感染拡大防止対策のみならず、従来からいただいていた、実際の集会、セミナーに参加するのが困難であるのでオンライン講座などをもっと積極的にやってほしいという要望に応えるものです。
今回は、治療分野の鍼灸師ベーシックセミナーの2回目として 肩部の評価と治療をテーマに実施しました。第1回については以下:
- 第13回JNOSウェビナー(2020年9月5日 21:00~):分野「治療技術の学習」、テーマ「鍼灸師向けベーシックセミナー①」、講師:黒沢理人、小林由磨 司会:銭田良博、申込みページ(抄録)、報告ページ(動画:会員公開)
講師と座長は、前回同様に以下3名を中心に行われました。また、以下2名が診察動画作成および質疑応答のパネリストとして参加しました。
- 黒沢 理人先生 (JNOS理事、トリガーポイント治療院 院長(群馬県前橋市))
- 小林 由磨先生 (JNOS関東甲信越ブロック 運営委員、鍼灸庵みがき 院長 (東京都文京区))
- 座長:銭田 良博先生(JNOS副会長・運営管理局長、株式会社ゼニタ 代表取締役社長 (愛知県名古屋市))
- 診察動画実演:浅賀 亮哉(JNOS正会員、木村ペインクリニック 理学療法士)
- 質疑応答 パネリスト:小林 只(JNOS理事・学術局長、弘前大学総合診療部学内講師)
当日、実施しました内容は以下の通りでした。
- エコーガイド下鍼治療(US-DN)総論復習から始まり、
今回は特に、「肩痛」を見ていくための一連の流れ、具体的には、- 鑑別の考え方:頚部からの関連痛の評価鑑別方法、内科疾患を疑うポイント(胆石発作、肺癌、急性心筋梗塞・狭心症発作、リウマチ性多発筋痛症)が提示されました。
- 医療面接のデモ:OPQRSTに基づく実際の「肩痛」患者に対する医療面接デモが素晴しい動画で提示されました。コミュニケーションは職種変わらず実施できる技術ですが、鍼灸師がここまで西洋医学的評価を教育・実践できることに医師含め感嘆しました。
- 身体診察のデモ:肩関節の評価(フローチャート【以下図:書籍P55】、エコー評価など):fasciaリリースの書籍の各論である、木村裕明ほか. 肩痛・拘縮肩に対するFasciaリリース~肩関節周囲炎を中心に~. 2018年 文光堂 の「P55 肩痛診療の基本フローチャート」
- エコーガイド下刺鍼の基礎:狙った部位へ、正確に、かつ、まっすぐ打つための技術が解説されました。
- 鍼治療の実演:高頻度治療部位として、以下が提示されました。
- 肩峰下滑液包(SAB), 烏口上腕靱帯複合体(CHL complex)(平行法)
- 棘下筋
- 前鋸筋上部線維
- 肩甲下筋
参加者からの感想は以下で、非常に好評でした!
- 鍼灸師が西洋医学的な医療面接(≒”問診”)技法をここまで、実施できるのかに驚きました。
- 多職種連携を進めるための見本になると思います!
- 肩痛の鑑別としての頚部由来、内科疾患の話題も大変参考になった!
- 肩痛診療の基本フローチャートの説明が非常に分かりやすかった!
- ライブ実技も、消毒、清潔操作、含め即役立つ内容でした。
- 注射と異なる刺鍼技術のコツなど、ハイドロリリースを実施する医師にとっても臨床のヒントが多い内容(肩峰下滑液包を複数部位で治療する意義)でした。
講義動画はYouTube公開、講義+実演+質疑応答は会員公開:第34回 JNOSウェビナー
第34回JNOSウェビナーの記録動画については、講義動画部分について当会の活動周知のためにYouTubeで公開(リンク)しました。
なお、開会の挨拶、講義動画、実技、質疑応答など全編については、会員限定フォーラムで閲覧可能です。
- 講義(30分)
- 実技(30分)
- 質疑応答・ディスカッション(25分)
- 質問1)通常のドプラ反応なのか、血管新生に伴うドプラ反応なのか判断方法はありますか?
- 質問2)ファシアの重積部へ刺鍼を行うことで、重積象や輝度の変化がすぐに出るのでしょうか?
- 質問3)肩甲挙筋の短軸象での前鋸筋との位置関係を教えて下さい。
- 質問4)肩甲下筋、広背筋、大円筋の位置関係を教えて下さい。
- 質問5)鍼の清潔操作について教えて下さい。
- 質問6)使う鍼の太さや長さの種類はあるのでしょうか?
- 専用フォーラム内でディスカッションもあり。
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