整形外科医でイタリア Padova大学 人体解剖学・運動科学 教授 Carla Stecco先生の新たな書籍が発刊されましたのでお知らせいたします。
Carla Stecco先生はThe Fascia Research Society (FRS, Fascia研究会, 本部アメリカコロラド州)の主要メンバーで、当会も国際会議への出席や当会における特別講演などを通して親交の深い先生です。
この度、そのCarla Stecco先生が書籍「Fascia: The Tensional Network of the Human Body: The science and clinical applications in manual and movement therapy」の第2版(2022年)を出版しました。
この書籍では、The Fascia Research Society における世界中の科学者や臨床医により、”fascia”の位置づけ(fascia system、A fasciaやその捉え方や議論点など)、基礎理解、生理学と解剖学、ファシアをターゲットにおいた治療法、最新の研究結果など幅広くカバーをしており、全ての研究者、臨床家などにとって有用な内容となっております。
JNOS理事である、小林只先生、今北英高先生、木村裕明先生、銭田良博先生らが「7.23 Hydrorelease of Fascia」のチャプターを執筆しました。そこでは、代表的な治療手技とその効果メカニズムはもちろんのこと、以下4点を論述しました。
- ハイドロリリースの名称と手技の歴史的経緯
- Hydrorelease(ハイドロリリース)とHydrodissection(ハイドロダイセクション)の差異
- Fascial pain syndromeの概念の提唱
- 癒着のGradeモデルと各種治療方法分類
今後、エコーガイド下fasciaハイドロリリースに関連した学術論文、特に英語論文を執筆される際の引用文献としてもご利用頂ければ幸いです。引用表記例は以下。
Authors; Tadashi Kobayashi, Hiroaki Kimura, Yoshihiro Zenita, Hidetaka Imagita. 7.23 Hydrorelease of Fascia. Editors; Robert Schleip, Carla Stecco, Mark Driscoll, Peter Huijing. Fascia: The Tensional Network of the Human Body, 2nd Edition 2022 ELSEVIER p.609-617
また、日本からは、川上泰雄先生(早稲田大学 スポーツ科学学術院 スポーツ科学部)、田口徹先生(新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法学科)も執筆されております。
日本ではアマゾンから購入できますので、是非、一読されてみることを勧めいたします。(アマゾンでプレビューも可能です)