第51回 Dr木村&Dr小林の腰殿部・下肢痛 ~応用編③「鼠径部」~
一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2022年5月28日(土) に第51回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたしました。(申込みページ・抄録)。
今回は「治療技術」分野をテーマに、座長:当会学術局長 小林只先生(弘前大学医学部附属病院総合診療部学内講師)、講師:当会会長木村裕明先生(木村ペインクリニック院長)、当会理事 黒沢理人先生(トリガーポイント治療院院長)、鈴木茂樹先生(木村ペインクリニック 理学療法士)、堀米先生(トリガーポイント治療院) によるセミナーでした。
今回は、鼠径部の構造物を主に扱いました。
注射手技としては、筋、靭帯、末梢神経以外にも、動脈(大腿動脈、大腿回旋動脈)、鼠径リンパ節、大腿輪(各構造の間の線維性構造やfat Padなど)についても、臨床例の提示とともにご紹介頂きました。
動作評価としては、FABERテストという動的評価、Patrikテストという静的評価の組合わせと使い分けなど、実際の臨床評価の流れにおいて、膨大な評価手法をいかに一連の流れでじっしするかについてもご提示頂きました。
エコー実演については、各構造物の基本的なエコー解剖について、2画面動画(手元とエコー画像)で明快な説明を頂きました。
【本ウェビナーの目次】
- Dr木村の講演:
- 鼠径部痛 の分類
- 鼠径靱帯リリース
- 股関節包の後方靱帯複合体リリース
- 大腿動脈など動脈周囲リリース
- 大腿静脈など静脈周囲リリース
- 鼠径リンパ節リリース
- 恥骨結合、恥骨/膀胱 のfasica
- 大腿輪(鼠径部) ほか
- 鈴木PTの鼠径部痛の発痛源評価
- 股関節前方組織の柔軟性評価
- 大腿部の内転筋群の緊張性評価
- 立位腰椎伸展動作における、鼠径部柔軟性が与える影響と、腰椎、仙腸関節、大腿部前面との分離評価(鼠径部の用手的圧迫、PSISのホールドによる仙腸関節評価)
- 神経根レベルのMMT評価
- 一歩進んだNerve tension test:大腿神経、腸骨鼠径神経、腸骨下腹神経など
- 大腿靱帯(腸骨大腿靱帯上部、腸骨大腿靱帯下部、恥骨大腿靱帯、坐骨大腿靱帯)の靭帯と周囲組織の複合体としての評価方法
- FABER テスト、FADIR テスト
- 下前腸骨棘AIIS周囲組織の鑑別評価
- 恥骨結合の評価
- 黒沢&堀米のエコー評価描出実演と解説
- 鼠径靭帯
- Iliopectineal arch
- 鼠径リンパ節
- Superior pubic ligament (上恥骨靱帯)
- 縫工筋/大腿動脈
- 大内転筋起始部
- 大腰筋/腸骨筋
- 腸腰筋/腸恥滑液包/関節包
- AIIS fat pad 長軸、短軸
- 恥骨筋深部
- 腸腰筋/外閉鎖筋
- 大腿直筋 reflected head
- 恥骨大腿靭帯・腸骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯
- ハンター管
またこれまでに5回実施しています、Dr.吉田の腰殿部の診方 シリーズ、永野先生のエコーウェビナー とも相補的な内容になります。
【Dr吉田 腰殿部痛ウェビナーで扱った項目】(参照リンク)
- 第1回目の内容:上殿神経・上殿動脈、中殿筋、下殿神経・下殿動脈(詳細はこちら)
- 第2回目の内容:坐骨神経、後大腿皮神経、陰部神経(詳細はこちら)
- 第3回目の内容:fasciaの概念からみた腰殿部痛(筋膜、靭帯[腸腰靱帯、棘上靱帯・棘間靱帯]、椎間関節、仙腸関節、硬膜外腔・硬膜黄色靱帯複合体、等)(詳細はこちら)
- 第4回目の内容:股関節前方部(鼠径部)、股関節外側部(詳細はこちら)
- 第5回の内容:仙腸関節を中心に(詳細はこちら)
【Dr永野 エコーウェビナー】
講義動画は会員公開:第51回 JNOSウェビナー
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- 前半の講義動画・実技含み(75分)
- 質疑応答・ディスカッション(15分程)
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