第54回 多職種が聞きたい症候学〜鍼灸師編③ 線維筋痛症・鍼通電療法〜(2022年7月16日開催)
一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2022年7月16日(土) に第54回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたしました。(申込みページ・抄録)。
今回は「治療技術」分野をテーマに、「多職種が聞きたい症候学〜鍼灸師編③ 線維筋痛症と針通電療法」 でした。
第1回の実施報告はこちらです。
第2回の実施報告はこちらです。
出演者は、前回につづき以下3名でした。
- コーディネーター:並木 宏文(日本整形内科学研究会 理事、地域医療振興協会 公立久米島病院 院長、2級知的財産管理技能士)
- 座長:小林 只(日本整形内科学研究会 理事・学術局長、弘前大学医学部附属病院総合診療部 学内講師、1級知的財産管理技能士、AIPE認定 知的財産アナリスト(特許/コンテンツ))
- パネリスト:国生 浩久(JNOS会員、ひろ鍼灸院 院長(鹿児島県鹿児島市))
今回は前回までの質疑応答の都築、および合計60分のディスカッション(座長が画面共有しながら議事録作成し、参加者も供覧しながらディスカッションしています)代謝・栄養系の悪化因子については、次回55回ウェビナーで主に扱いますので、お楽しみにしていてください。
【講演内容】
- 線維筋痛症の名称について、グリア細胞とIGFの関係、鰓弓由来組織と中枢感作
- 鍼通電療法。周波数により、神経末端より放出される神経ペプチドの種類が異なることからの考察。 よく実施される周波数は2Hz。
- ストレスと下行性疼痛抑制系
- 温熱療法、お灸
- 併存疾患、基礎疾患への気付き方、精査のコツ
【代表的なディスカッション】 その他にも、最前線の臨床家からの工夫やコツで溢れました!
- 線維筋痛症の診断:時間がかかる。他覚的には分からないことが定義。自立支援・障害者手帳へのハードルが高いのは、利点で不利点か。疾病利得もある。
・SLEも診断基準ではなく「分類基準」に過ぎない。
・通院している医師が、線維筋痛症と診断してくれない場合の対応→そもそも西洋医学における診断行為「解剖×病態(×原因)」における「症」の病名の妥当性について確認。- 針通電の強度:痛くない程度、気持ちが良い程度。ズーンとくるくらい? 強すぎる刺激を好む患者もいるが、DOMS (遅発性筋痛)がでる。2Hz → 2回/秒(120回/分)赤ちゃんの寝かしつけ?
1Hzと2Hzに効果の差はあるのか?→知る限りはなさそう。
雀啄のひねりの方向は、ひねり難い方向へか。- ストレスケアに、あえてアルコールを勧めることはあるか? 抗うつ薬やベンゾジアゼピンの効果増強? Vb12欠乏の誘発が慢性疼痛の悪化原因にあることもある。アルコールの多さは、個別差。
- (省略)
- 更年期障害として紹介されてくる中年女性へ、どう対応したらよいか。自称”線維筋痛症”はもちろん、他院で”線維筋痛症”と診断された?患者であっても、基礎疾患が十分にスクリーニングされていない例は稀ではない。例えば、潜在性甲状腺機能低下症、低亜鉛血症、低マグネシウム血症 →これは次回のウェビナーへ
参考:内科系とfasciaに関して、当会の関連企画としては以下:リンク
講義動画は会員公開:第54回 JNOSウェビナー
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- 前半の講義動画(30分)
- 質疑応答・ディスカッション(60分程)
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