【開催報告】第75回 ウェビナー [治療技術の学習] 最先端シリーズ ~血管と痛み~ 第2回(2023年8月19日開催)
一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2023年8月19日(土) に第75回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたしました。
そこで、今回は「治療技術の学習」分野をテーマに、「最先端シリーズ ~血管と痛み~ 第1回」と題したウェビナーとして、血管と痛みの関連性について、血管リリース(血管周囲のハイドロリリース)の適用と実践を扱います。末梢神経をターゲットとした治療では辿り着けない領域を可視化し、その治療戦略を提案の2回目でした。(第1回目の報告)
特に、パッシブリリースは、コンビネーションリリースの1つとしての新技術 1)注射+徒手 2)鍼+徒手 3)物療+鍼 いろいろとして、リリース治療の分野を新しいステージへ発展させる新しい治療技術と確信しております(座長 小林、講師 木村)。注射のあと、リハビリ室で徒手、という順番に実施するのではなく、「その場で注射と徒手を同時に実施する」という技術です、授動術をより安全に実施する技術分野として位置づけています。実際の実技や詳細は、肩関節、股関節について、第2回エキスパートセミナーでも披露しましたが、その治療効果に参加者一同驚いていました。
この分野について、2021年第5回、第6回のJNOSウェビナー(会員限定動画)のアンギオソームAngiosome(血管系の関連痛マップ)を活用したアプローチを皮切りに、2022年11月の第5回JNOS学術集会・第3回日本ファシア会議の会長講演でも、その発展をご紹介頂きました。
第5回JNOS学術集会・第3回日本ファシア会議・会長講演 (2023年4月公開:Youtube 動画はこちらをクリック)
【演題】Intervention of fascia in pain~世界に向けての発信、最近のトピック2022(血管回りへのアプローチ)~
【演者】木村 裕明(JNOS 会長・代表理事、木村ペインクリニック 院長)
【抄録】こちらをクリック
講師は、木村 裕明 先生(日本整形内科学研究会 会長、木村ペインクリニック院長(群馬県前橋市))ら、チーム木村でした。
- 講師:木村 裕明 先生(日本整形内科学研究会 会長、木村ペインクリニック院長(群馬県前橋市))
- 講師:黒沢 理人 先生(日本整形内科学研究会 理事、トリガーポイント治療院 院長 (群馬県前橋市))
- 講師:堀米 秀法 先生 (日本整形内科学研究会 会員、木村ペインクリニック (群馬県前橋市), 鍼灸師・柔道整復師)
- 司会・座長:小林 只(日本整形内科学研究会 理事・学術局長、弘前大学医学部附属病院総合診療部 学内講師、1級知的財産管理技能士、AIPE認定 知的財産アナリスト(特許/コンテンツ)
パッシブリリースの概念、血管リリース手技については、2021年の書籍で既に紹介しています。今回、数年の経験値を重ねた知見をご紹介いただきます。
書籍 日本語:fasciaリリースの基本と臨床 第2版 2021(文光堂):https://www.bunkodo.co.jp/book/D8KNZYSIFX.html
・パッシブリリース:P112 (徒手的リリース☓注射リリースの同時実施のリリース手技をPassivie manipulation with hydroreleaseとして紹介、2023年に木村らが「パッシブリリース」と呼称化した)
・血管リリース:P75-76
本シリーズ全体の目次は以下になります(変更となる場合もございますが、ご了承ください)。
講演予定 疼痛治療最前線 (第2回で扱った内容は以下の太字、第3回は青文字を予定)
疼痛治療最前線 ハイドロリリースの更なる応用① 日本発血管治療3. 足底腱膜炎ってただの浮腫?4.手足の治療はワンパターン5.膝治療4分割の法則+α② 血管リリース+パッシブリリース
→パッシブリリースは、コンビネーションの新しい技術 1)注射+徒手 2)鍼+徒手 3)物療+鍼 いろいろ2.曲がった腰を伸ばしましょうプロジェクト③ 血管リリース+プロロセラピー1.リジェネレーション 相性抜群2.変形性膝・股関節症 その手術本当に必要?④ 血管リリース技術編2.練習器具開発中⑤ 血管リリース+プロロセラピー+パッシブリリース1.難治性の凍結肩に対して2.膝治療の究極?
詳細は下記をご参照ください。多くの方のご参加をお待ちしております。
講義動画は会員公開:第75回 JNOSウェビナー
第75回JNOSウェビナーの動画およびディスカッションは、会員限定フォーラムで閲覧可能です。
- 講義1 70分
- 質疑対応・ディスカッション 20分
2022年夏より開始した、当会ウェビナーの目玉でもある、リアルタイムチャット(並列解説)のテキストについても、アーカイブで共有するようにしました。是非、臨場感を感じて頂ければ幸いです。ライブ参加も、どんどんブラッシュアップしていますので、楽しみに下さい。
以下、チャットの例
- 眼窩上神経ブロックの位置で実施する場合は、針は30ゲージがおすすめです。
- このアプローチは非定型顔面痛、翼口外神経節の刺激とされる痛みに効果はありますか?
- Fasciaをリリースすることを目的としているのですか?結果的に血管をリリースして血流回復を目的にしているのですか?場合のより神経もリリースすることまでも狙っているのですか?
- 神経と血管は、伴走していない場合もけっこう多いです。そして、神経を狙うときも、血管は避けるべき構造として注射・穿刺される傾向がありますので、意識して動脈周りを攻めないと、治療されてないことが多いです。
- 臀部の痛みでfasciaリリースするひとがいるのですが、もともとなのか、痛くて運動しないのか、お尻の筋肉がぺったりして筋肉が薄い人は効果が薄い気がします。このような人には血管リリースをねらうとよいのでしょうか?このような人にもプロロセラピーが効果があるのでしょうか?
- 参照:プロロセラピーとハイドロリリース:https://youtu.be/ArOEac5erGo
- 徒手の場合もパッシブリリースのようにストレッチしながら押圧すると、単に押圧するよりも効果があるのでしょうか?
- 物療と徒手の組み合わせて、深部の治療も可能かもしれません。
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